森林限界を超えた室堂の気持ちのいい空気を楽しみながら歩いていると、いきなり風景は一変する。
気持ちのいい緑はなくなり、荒涼した広い土地が延々と広がる。それがこの地獄谷。温泉地独特の強烈な硫黄の匂いが漂ってくる入口には、入山者の通過を確認するセンサーが設けられていて、とても物々しい雰囲気。
「遊歩道以外に立ち入らない」「危険」「長く1か所に留まらない」と多くの警告に洩れず、地獄谷の中は息苦しくなるほどの硫黄臭と熱気が常に漂い、道端からでも熱湯がグツグツと湧いている。噴き出す蒸気やぽっかりとあいた穴から湧き出す熱湯は地獄そのもの。
確かにこの谷で安全な場所は遊歩道の上だけで、それ以外の場所は立ち入れば命を失いかねないと感じるほど。それでも時々遊歩道は噴き出す火山性ガスに覆われてしまうため注意が必要。恐ろしい場所だが、長居せず普通に遊歩道を歩き抜ける分には問題はない。
美しい硫黄の塔や間近で噴き出す蒸気や温泉。夏でも遅くまで雪が残る荒涼とした大地は普段は絶対見られない不思議な世界で圧巻の眺めだった。
また、付近にはこの地獄谷を源泉とする温泉がいくつかあり、とても濃厚なお湯を楽しめるのもうれしい。